2015/03/20

魔法が使えないなら。

『食べようび』1st ISSUE発売から1カ月余り、皆様もうご覧いただけましたでしょうか。
編集長Hです。
現在編集部では6月発売予定の2nd ISSUEの仕込み真っ最中。
何をテーマにするかはまだまだヒミツですが、乞うご期待、ということで。

さて今回のブログでは「編集」というオシゴトのことを僭越ながら綴ってみようかと。

『我々編集者はなんの才能もない人間なんです。だから、いろんな才能ある人の力を借りる』

個人的にリスペクトしている編集者の方の言葉なのですが、その通りだと思います。
写真が撮れるわけでもない、イラストが描けるわけでもない、レシピを考案できるわけでもない、
エディトリアルデザインができるわけでもない。
我々編集者にできることは、才能ある方々のお力を借りて、編んで結んで
頭の中に描いた「絵」に可能な限り近づけることなんです。

でも、脳内の「絵」を、スタッフの方々の頭にそのままテレパシーのように伝えることなんてできません。
そんな魔法はありません。

だから、不器用な手を使って頭の中の絵を紙に描きます。

















コンテ、ってやつですね。
ちなみにこれ、1st ISSUEの「購買パン物語」
の取材撮影前の「絵」です。
頭の中にあったのを取り出した「絵」。

これをスタッフの方に見せて、イメージを共有してもらうんです。
本当は、この頭をパカっと開いて「絵」を取り出し、両の掌に乗せて差し出したいくらい。
「これこれ、ほら、こんな感じなんです。わかります?」

でもそんなことはできません残念ながら。だからコンテを描きます。

で、これを元にして完成したページがこれです。
















幾つもの力を集めて編んだ結果、
自分の頭の中にあったしょぼい「絵」が
素晴らしいページになるんです。

感動。


他のページも同じです。集めて集めて集めて編んで編んで編んで、一冊の本ができあがります。

今日もまた編集者は妄想の果てに、もやっとした浮かび上がった絵をクリアにしつつ、
何色の糸を、どんな太さの針に通し、如何様に編もうかと考えています。
我々には持ち得ない、写真を撮る、イラストを描く、デザインをする、レシピを生み出す、
特別な才能を縦横無尽に発揮できるスタッフの方々の、大いなる魔法のおかげで。



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